氏素性
うじすじょう
名詞
標準
(a person's) family background
文例 · 用例
生は東京で、氏素性は明かでない。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
媼は、誰とも、いかなる氏素性の少年とも弁えぬが、去年秋銃猟の途次、渋茶を呑みに立寄って以来、婆や、家は窮屈で為方がねえ、と言っては、夜昼|寛ぎに来るので、里の乳母のように心安くなった。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
あとから聞いてみると、それは新聞社から来た写真屋がマグネシュームというものを焚いたので、あくる日になるとその写真が私の氏素性と一所に大きく新聞に出た。
— 夢野久作 『鉄鎚』 青空文庫
将軍家に於いては、この異変をお耳になさつても別にお驚きになるやうな御様子も無く、ずつと以前からご存じのやうなお落ちつき振りで、ただその、泉親平といふ人の氏素性をずいぶんこまかにお尋ねになつて居られました。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
要はただ、君が家系|門閥の誇の上に、一部の間隙を生ぜしめて、氏素性、かくのごとき早瀬の前に幾分の譲歩をなさしめん希望に過ぎなかったに、思わざりき、久能山上の事あらんとは。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
尤も裸体が渋紙に包まれていたんじゃ、氏素性あろうとは思わぬはず。
— 泉鏡花 『薬草取』 青空文庫
品夫はたしかに氏素性のハッキリしない者の娘で、しかも変死者の遺児に相違無いのです。
— 夢野久作 『復讐』 青空文庫
私等が口を利くにゃこっちの姉さんの氏素性来歴を、ちゃんと呑込んでいなかった日にゃ、いざッて場合に、二の句が続かないだろうじゃありませんか。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
作例 · 標準
例句