雪狼
ゆきおいの
名詞
標準
文例 · 用例
5 水仙月の四日赤い毛布を被ぎ、「カリメラ」の銅鍋や青い焔を考えながら雪の高原を歩いていたこどもと、「雪婆ンゴ」や雪狼、雪童子とのものがたり。
— 宮沢賢治 『『注文の多い料理店』新刊案内』 青空文庫
二|疋の雪狼が、べろべろまっ赤な舌を吐きながら、象の頭のかたちをした、雪丘の上の方をあるいていました。
— 宮沢賢治 『水仙月の四日』 青空文庫
」雪狼のうしろから白熊の毛皮の三角|帽子をあみだにかぶり、顔を苹果のようにかがやかしながら、雪童子がゆっくり歩いて来ました。
— 宮沢賢治 『水仙月の四日』 青空文庫
雪狼どもは頭をふってくるりとまわり、またまっ赤な舌を吐いて走りました。
— 宮沢賢治 『水仙月の四日』 青空文庫
その空からは青びかりが波になってわくわくと降り、雪狼どもは、ずうっと遠くで焔のように赤い舌をべろべろ吐いています。
— 宮沢賢治 『水仙月の四日』 青空文庫
」雪童子が丘をのぼりながら云いますと、一疋の雪狼は、主人の小さな歯のちらっと光るのを見るや、ごむまりのようにいきなり木にはねあがって、その赤い実のついた小さな枝を、がちがち噛じりました。
— 宮沢賢治 『水仙月の四日』 青空文庫
木の上でしきりに頸をまげている雪狼の影法師は、大きく長く丘の雪に落ち、枝はとうとう青い皮と、黄いろの心とをちぎられて、いまのぼってきたばかりの雪童子の足もとに落ちました。
— 宮沢賢治 『水仙月の四日』 青空文庫
聞えるものは雪婆んごのあちこち行ったり来たりして叫ぶ声、お互の革鞭の音、それからいまは雪の中をかけあるく九疋の雪狼どもの息の音ばかり、そのなかから雪童子はふと、風にけされて泣いているさっきの子供の声をききました。
— 宮沢賢治 『水仙月の四日』 青空文庫