浩々
こうこう
形容動詞
標準
文例 · 用例
海なる嬰児が母の胎内より湧き出でて、浩々蕩々まさに全地を蔽わんとした時、戸を以てこれを閉じて汎濫を防ぎしは誰であるかと八節は問う。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
……その玄關が六疊の、右へ※り縁の庭に、物數寄を見せて六疊と十疊、次が八疊、續いて八疊が川へ張出しの欄干下を、茶船は浩々と漕ぎ、傳馬船は洋々として浮ぶ。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
よつて之を總べて談ずれば蕩々浩々たる一氣であるが、之を拆いて語れば、方處性相名目差別無き能はずである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
その頃私は大阪に出て、角田浩々歌客、平尾不孤氏達と一緒に、雜誌『小天地』の編輯をやつてゐました。
— 薄田泣菫 『詩集の後に』 青空文庫
未亡人の涙7・17(夕) 東京三|越の「山と水」展覧会に、故人|角田浩々歌客が世界の各地から集めた石と一緒に、塚本工学博士が出品した瓶詰の黄河の水がある。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
平尾氏の親友で、今は亡き人の角田浩々歌客氏や、中井|隼太氏などは、ふだんOさんに慊らぬ感情をもつてゐましたから、この騒ぎを機会にOさんときつぱり手を切らせたい、少なくとも深入りはさせたくないといつて、平尾氏の東京行を中止させようと努力しましたが、いつこくな平尾氏は何といつても肯き入れません。
— 薄田泣菫 『恋妻であり敵であつた』 青空文庫
その平生に怠無かりし天は、又今日に何の変易もあらず、悠々として蒼く、昭々として闊く、浩々として静に、しかも確然としてその覆ふべきを覆ひ、終日北の風を下し、夕付く日の影を耀して、師走の塵の表に高く澄めり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
さうかと思ふと、天日を仰いで浩々然と胸をひろげた。
— 牧野信一 『海棠の家』 青空文庫