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火箭

ひや
名詞
1
標準
文例 · 用例
今迄は少しも心付かなかつたが、唯見る、我弦月丸の左舷船尾の方向二三|海里距つた海上に當つて、また一|度微な砲聲の響と共に、タール桶、油樽等を燃燒すにやあらん、※々たる猛火海を照して、同時に星火を發する榴彈二|發三|發空に飛び、つゞいて流星の如き火箭は一|次一|發右方左方に流れた。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
此邊は印度洋の眞中で、眼界の達する限り島嶼などのあらう筈はない、まして約一|分の間隙をもつて發射する火箭及び星火榴彈は危急存亡を告ぐる難破船の夜間信號※『やア、大變だ/\。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
左舷の當番水夫は今や確に星火迸り、火箭飛ぶ慘憺たる難破船の信號を認めて居るには相違ないのだが、何故か平然として動ずる色もなく、籠手を翳して其方を眺めて居るのみ。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
前檣に白燈、右舷に緑燈、左舷に紅燈は言ふ迄もない、安全航行の信號※『はゝあ、或程、星火榴彈に一次一發の火箭、救助を求むる難破船の信號がよく見えます、貴下の眼は仲々結構な眼です。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
否、否、如何考へても私は白、緑、紅の燈光を星火榴彈や火箭と間違へる程惡い眼は持つて居らぬ筈。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
爾の時一道の金光が漫々と涯無き浪路の盡頭から、閃くが如く、迸るが如く、火箭の天を射るが如くに發する。
幸田露伴 努力論 青空文庫
紅と緑の光弾、円蓋、火箭、ああ、その銀光の投網、傘下し、爆裂し、奔流し、分枝し、交錯し、粉乱し、重畳し、傘下し、傘下し、傘下し、八方に爛々として一瞬にしてまた闇々たる、清秀とも、鮮麗とも、絢爛とも、崇美とも、驕奢とも、譬うるに言葉も絶えた。
北原白秋 木曾川 青空文庫
その光は聖壇の蝋燭から来ているのであって、三稜形をした大燭台の前には乳香が燻かれ、その烟と光とは、火箭のように林立している小円柱を沿上って行って、頭上はるか扇形に集束されている穹窿の辺にまで達していた。
小栗虫太郎 黒死館殺人事件 青空文庫