修得
しゅうとく
名詞
標準
文例 · 用例
そして、過去に既に修得した技術や知識や、豊富に貯蓄された財産やによって、人生を心のままに享楽した後、多くの子孫を残して安楽に死ぬことが出来るのである。
— 萩原朔太郎 『老年と人生』 青空文庫
そしてこの不妊期が心臓(ヒュマニティの実質)を目覚ますものらしい―― 彼が考へることは彼の良心を自覚的にするだけで、だから彼はその自覚的になつた良心でする経験、即ち修得物を詩にすればよいのだが、彼は余りに美事に考へたので、考へたことをその儘詩の中に持ちだしたいといふ欲望があるやうだ。
— 中原中也 『高橋新吉論』 青空文庫
われわれが小学校中学校高等学校を経て大学を卒業するまでの永い年月の間に修得したはずの知識は、分量で測ることが出来るとすればずいぶん多量なものであろうと思われる。
— 寺田寅彦 『鉛をかじる虫』 青空文庫
科学者の修得し研究する知識はその本質上別にそれが新しく発見されたか旧くから知られているかによって価値を定むべきものではない。
— 寺田寅彦 『科学上の骨董趣味と温故知新』 青空文庫
科学の区別は別問題として、その人々の科学というものに対する見解やまたこれを修得する目的においても十人十色と云ってよいくらいに多種多様である。
— 寺田寅彦 『科学上の骨董趣味と温故知新』 青空文庫
これほど極端でないまでも、実際科学者としては日進月歩の新知識を修得するだけでもかなりに忙しいので、歴史的の詮索までに手の届かぬのは普通の事である。
— 寺田寅彦 『科学上の骨董趣味と温故知新』 青空文庫
フランス人の画を見てすぐに要領を修得したような軽薄な絵を見るよりは数倍気持がいいと思う。
— 寺田寅彦 『二科会展覧会雑感』 青空文庫
二十歳代の青年期に蜃気楼のような希望の幻影を追いながら脇目もふらずに芸能の修得に勉めて来た人々の群が、三十前後に実世界の闘技場の埒内へ追い込まれ、そこで銘々のとるべきコースや位置が割り当てられる。
— 寺田寅彦 『厄年と etc.』 青空文庫