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湯壺

ゆつぼ
名詞
1
標準
文例 · 用例
背後には、血しほしたたる拳あげ、霞める街の大時計睨みつめたる山門の仁王の赤き幻想……その裏をちやるめらのゆく……四十一年十二月  浴室水落つ、たたと………浴室の真白き湯壺大理石の苦悩に湯気ぞたちのぼる。
北原白秋 邪宗門 青空文庫
朝湯――殊に温泉――は何ともいへない心持だ、湯壺にぢとしてゐる時は無何有郷の遊び人だ、不可得、無所得、ぼうばくとしてナムカラタンノウトラヤヤ……。
種田山頭火 行乞記 青空文庫
今朝の湯壺もよかつた、しづかで、あつくて、どん/\湯が流れて溢れてゐた、その中へ飛び込む、手足を伸ばす、これこそ、優遊自適だつた。
種田山頭火 行乞記 青空文庫
ねむれないので夜ふけてまた入浴、誰もゐない薄暗い湯壺にずんぶりひたつて水音に心を澄ます、……内湯のありがたさ、山の湯のありがたさである、……よくねむれた。
種田山頭火 旅日記 青空文庫
湯壺は花崗石を畳み上げて、十五畳敷位の広さに仕切つてある。
夏目金之助 坊っちやん 青空文庫
おれは人の居ないのを見済しては十五畳の湯壺を泳ぎ巡つて喜こんで居た。
夏目金之助 坊っちやん 青空文庫
温泉へ行くと、うらなり君が時々蒼い顔をして湯壺のなかに※れて居る。
夏目金之助 坊っちやん 青空文庫
温泉へ着いて、三階から、浴衣のなりで湯壺へ下りて見たら、又うらなり君に逢つた。
夏目金之助 坊っちやん 青空文庫