幻辞.com

折柄

おりから
名詞
1
標準
文例 · 用例
酒不足の折柄、老生もこのごろは、この屋台店の生葡萄酒にて渇を医す事に致し居候。
太宰治 花吹雪 青空文庫
と、折柄ダンスの一くさりが終つたばかりで、亞麻色髮の若男爵フレデリックはその踊相手と、黒髮の持主の美しい夫人のイングンは夫の友達の一人と、何れも自分達の食卓に戻る所だつた。
――スウェーデンの殺人鬼―― 死の接吻 青空文庫
」 果せる哉、礼之進が運動で、先生は早や平家の公達を御存じ、と主税は、折柄も、我身も忘れて、「はい、」と云って、思わず先生の顔を見ると、瞼が颯と暗くなるまで、眉の根がじりりと寄って、「大きに、お世話だ。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
母様は病気を勤めて、二階へ先生を起しに行って、貴郎、貴郎と云う折柄
泉鏡花 婦系図 青空文庫
」「その方はアツレキ三十一年七月一日夜、アフリカ、コンゴオの林中空地に於て、故なくして擅に出現、折柄月明によって歌舞、歓をなせる所の一群を恐怖散乱せしめたことは、しかとその通りにちがいないか。
宮沢賢治 ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記 青空文庫
鷹のゆくえを詮議している折柄に、あたかも鳥さしに出合って、しかもそれが千駄木であるということが何かの因縁であるように思われたが、勿論、この鳥さしはお鷹紛失のことを知らないに相違ない。
鷹のゆくえ 半七捕物帳 青空文庫
持っててあげますから」 鉄道の隧道が通っていて、折柄、通りかかった汽車に一度現代の煙を吐きかけられた以後は、全く時代とは絶縁された峠の旧道である。
岡本かの子 東海道五十三次 青空文庫
そして一人の小姓を通知に側口へ廻らせたあと、折柄雪も止んで、利休の有名な瀟洒たる庭園も満目白|皚々たる下に埋もれて単なる綿の取り散らしにしか過ぎない光景を、門越しに眺めて秀吉はほくそ笑みました。
岡本かの子 仏教人生読本 青空文庫