短章
たんしょう
名詞
標準
文例 · 用例
(昭和八年六月、『柿の種』)短章 その一棄てた一粒の柿の種生えるも生えぬも甘いも渋いも畑の土のよしあし * 日常生活の世界と詩歌の世界の境界は、ただ一枚のガラス板で仕切られている。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
(昭和十年十一月、渋柿)短章 その二 * 美人と言えば女に限るようである。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
おぼえていらっしゃるかしら、あのなかに、「ああせめて私の眼がたんのうするまで」という短章があるのよ。
— 一九四一年(昭和十六年) 『獄中への手紙』 青空文庫
荻江節も一中も河東も、詩吟も、琴うたも、投節も、あらゆるものの、よき節を巧みにとり入れて、しかも楽器相当に短章につくったところに妙味があった。
— 長谷川時雨 『神田附木店』 青空文庫
此が短章となつて、恋愛味を離れて来ると、やはり国王の為の賀寿に傾くのである。
— 折口信夫 『組踊り以前』 青空文庫
茲に一つ、考へねばならぬ事は、江戸期に入つては、三味線の演奏法が、忽複雑多趣になつたが、始めは、短章か、長くば、変化のない叙事的な物の外、弾奏する事は出来なかつたのであらう。
— 折口信夫 『組踊り以前』 青空文庫
さすれば、三味の本式の演奏は、投げ節その他の、短章の小唄をかけることである。
— 折口信夫 『組踊り以前』 青空文庫
鎮魂祭の真言なる短章(ふり)が、或は、かうした方面から、短詩形の普及を早めたことを思ひ浮べさせる。
— 唱導的方面を中心として 『国文学の発生(第四稿)』 青空文庫