西の内
にしのうち
名詞
標準
文例 · 用例
西の内二枚半に筆太に、書附けたる広告の見ゆる四辻へ、侠な扮装の車夫一人、左へ曲りて鮫ヶ橋谷町の表通、軒並の門札を軒別に覗きて、「黒瀬ぬい、と、ええ、黒瀬と、さっぱり知れねえぞ、こっちは土方職、次は車力、引越荷車|仕候か、お次は何だ、鋳掛屋かい、差替りまして蝙蝠傘直、さあさあ解らねえ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
それは寝殿の西の内蔵であった。
— 御法 『源氏物語』 青空文庫
作ることへの乾きは、西の内にもあった。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
盤得尼が錠前を外し扉を開くと、正面には半開きになっている太格子の網扉があって、その黒い桟の内側には、西の内を張った※子障子が、格の間に嵌められてあった。
— 小栗虫太郎 『夢殿殺人事件』 青空文庫
まず西の内紙二枚半というのが戦に適当で、四枚六枚八枚のは唯揚げて楽しんだ。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
十二月にはいると西の内一枚を四つに折ったお手本が渡る。
— 蕎麦屋の利久 『旧聞日本橋』 青空文庫
總選擧などになると茨城縣の「西の内」紙が他府縣から夥しく注文される。
— 横瀬夜雨 『田舍の新春』 青空文庫
「西の内」は楮の皮からつくる手すきの和紙で、裂かうとしても破れぬ程強靱であるし、透しても裏から字が見えぬから、選擧用紙に適當なのであらう。
— 横瀬夜雨 『田舍の新春』 青空文庫