小紙
しょうし
名詞
標準
文例 · 用例
幾度となくおじぎをしては私を見上げる彼の悲しげな眼を見ていた私は、立って居室の用箪笥から小紙幣を一枚出して来て下女に渡した。
— 寺田寅彦 『小さな出来事』 青空文庫
この小紙片がすなわち不審紙である。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
それですから善女が功徳のために地蔵尊の御影を刷った小紙片を両国橋の上からハラハラと流す、それがケイズの眼球へかぶさるなどという今からは想像も出来ないような穿ちさえありました位です。
— 幸田露伴 『幻談』 青空文庫
取り上げると、その下に挟まっていた四角い小紙片がひらりと地面に落ちる。
— THE FINAL PROBLEM 『最後の事件』 青空文庫
此駅小吏余輩を迎ふるに小紙幟上姓名を書して持来|轎前に在て先導す。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
其間に村人の話を聞くと、大紙房と小紙房との村境に一間の空家があつて十数年来|誰も住まぬ。
— 岡本綺堂 『雨夜の怪談』 青空文庫
雨の日などは器の上に雨のかかっていることもあり、薬味の小皿の上に広告式の小紙をかぶせては来るも、その紙もぬれているという次第です。
— 村井政善 『蕎麦の味と食い方問題』 青空文庫
伸子は、保の勉強部屋の入口の鴨居に貼られているメディテーションという小紙に、あんなに拘泥していた。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫