小蛇
しょうじゃ
名詞
標準
文例 · 用例
耳の傍から眉間へ掛けて、小蛇のように筋が畝くる。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
真蒼な激い流が、白く颯と分れると、大な蛇が迎いに来た、でないと船が、もうその上は小蛇の力で動かんでな。
— 泉鏡花 『茸の舞姫』 青空文庫
私はこう下を向いて来かかったが、目の前をちょろちょろと小蛇が一条、彼岸|過だったに、ぽかぽか暖かったせいか、植木屋の生垣の下から道を横に切って畠の草の中へ入った。
— 泉鏡花 『政談十二社』 青空文庫
その指には、白金の小蛇の目に、小さな黒金剛石を象嵌したのが、影の白魚のごとく絡っていたのである。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
後で知れた、――衣類の紋も、同じ白色の小蛇の巻いた渦巻であった。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
衣摺の音するすると、しばらくして、隔ての襖に密と手を掛けた、ひらめく稲妻、輝く白金、きらりと指環の小蛇を射る。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
羊歯は樹木となり巨蘭は棘をだし、蔦や、毒々しい肥葉や小蛇ほどの巻鬚が、からみ合い密生を作っているのだ。
— 小栗虫太郎 『「太平洋漏水孔」漂流記』 青空文庫
黒色で、身のたけは三十余丈、それにしたがう小蛇の太さは椽のごとく、柱のごとく、あるいは十|石入り又は五石入りの甕のごときもの、およそ幾百匹、東から西へむかって隊を組んで行く。
— 録異記 『中国怪奇小説集』 青空文庫