滾つ
たぎつ
動詞
標準
文例 · 用例
三千や四千の金なら、随分そこらに滾つてゐやうと私は思ふ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
丁度筋肉と骨の間に、煮滾つた熱湯を流し込まれるやうな感じで、ひどい時には痛む腕を根本から断り除つてしまつたらどんなによからうと思ふ。
— 北條民雄 『烙印をおされて』 青空文庫
火鉢の上には鉄瓶が滾つて居た。
— 或は病める薔薇 『田園の憂欝』 青空文庫
その手で、す早く、滾つて居る鉄瓶を下したが、再び莟を撮み上げると、直ぐさまそれを火の中へ投げ込んだ。
— 或は病める薔薇 『田園の憂欝』 青空文庫
手に用をせねばならぬお政は、わきたぎつ涙をぬぐうてもいられぬ。
— 伊藤左千夫 『告げ人』 青空文庫
ただその一囘で、彼の全身の血潮は熱くたぎつて流れた。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
落ちたぎつ瀧の水の沫と散りて猶|麗しきを見ずや。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
かく麓より眺むれば、この落ちたぎつ水の勢は、早晩巖石を穿ち碎き、押し流して、その上なる人家も底なき瀧壺に陷らずやと怖しく思はると宣給ふ。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫