なれども
なれども
接続詞
標準
but
文例 · 用例
また右手の小高き岡に上って見下ろせば木の間につゞく車馬|老若の絡繹たる、秋なれども人の顔の淋しそうなるはなし。
— 寺田寅彦 『半日ある記』 青空文庫
ちと人が悪いようなれども一切|只にて拝見したる報いは覿面、腹にわかに痛み出して一歩もあゆみ難くなれり。
— 寺田寅彦 『半日ある記』 青空文庫
西鶴は頬の色の「薄花桜」であることを重要視しているが、「いき」な頬は吉井勇が「うつくしき女なれども小夜子はも凄艶なれば秋にたとへむ」といっているような秋の色を帯びる傾向をもっている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
かくのごとき見解と期待との相違より生ずる物議は世人一般の科学的知識の向上とともに減ずるは勿論なれども、一方学者の側においても、科学者の自然に対する見方が必ずしも自明的、先験的ならざる事を十分に自覚して、しかる後世人に対する必要もあるべし。
— 寺田寅彦 『自然現象の予報』 青空文庫
変数が長さ、時間、あるいはこれらの合成によりて得らるるものならば比較的簡単なれども、例えば物体の温度、荷電等のごとき性質のものが与えられたりとせよ。
— 寺田寅彦 『自然現象の予報』 青空文庫
地震が如何にして起るやは今もなお一つの疑問なれども、ともかくも地殻内部における弾性的平衡が破るる時に起る現象なるがごとし。
— 寺田寅彦 『自然現象の予報』 青空文庫
単に糸を引き切る場合ならば簡単なれども、地殻のごとき場合には破壊の起り方には種々の等級あるべし。
— 寺田寅彦 『自然現象の予報』 青空文庫
木の葉をつたい歩く蟻にとりては一粒一粒の雨滴の落つる範囲を方数ミリメートルの内に指定する事が必要なれども、吾人人間には多くの場合にただ雨量と称する統計的の数量が知らるれば十分なり。
— 寺田寅彦 『自然現象の予報』 青空文庫
作例 · 標準
経験は浅くなれども、熱意だけは誰にも負けない自信があります。
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小さな成功なれども、私たちにとっては大きな自信につながった。
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冬は過ぎ去りなれども、まだ風に冷たさが残る三月の昼下がり。
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