巻き
まき
名詞
標準
文例 · 用例
糟谷は西洋葉巻きを口から離さないのと、へたの横好きに碁を打つくらいが道楽であるから、老人側にも若い人の側にもほめられる。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
愛想よくいつもにこにこして、葉巻きのたばこを横にくわえ、ざる碁をうって不平もぐちもなかった。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
十二 信如が何時も田町へ通ふ時、通らでも事は済めども言はば近道の土手々前に、仮初の格子門、のぞけば鞍馬の石燈籠に萩の袖垣しをらしう見えて、椽先に巻きたる簾のさまもなつかしう、中がらすの障子のうちには今様の按察の後室が珠数をつまぐつて、冠つ切りの若紫も立出るやと思はるる、その一ト搆へが大黒屋の寮なり。
— 樋口一葉 『たけくらべ』 青空文庫
彼らは銃剣で敵を突き刺し、その辮髪をつかんで樹に巻きつけ、高梁畠の薄暮の空に、捕虜になった支那人の幻想を野曝しにした。
— 萩原朔太郎 『日清戦争異聞(原田重吉の夢)』 青空文庫
彼らは銃剣で敵を突き刺し、その辮髪をつかんで樹に巻きつけ、高粱畠の薄暮の空に、捕虜になった支那人の幻想を野曝しにした。
— 萩原朔太郎 『日清戦争異聞』 青空文庫
――と共に、次第に彼等は形式の中に巻き込まれ、遂に全く島国日本の伝統に還ってしまった。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
(聖書) けれども新体詩は、幸いにして形式の中に巻き込まれず、却ってその形式に退屈してきた。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
詩人から文壇の方に降り、彼等に巻き込まれて行くのでなく、逆に文壇を吾人の方に、詩的精神の方に高く引きあげて教育しよう。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫