棟々
棟々
名詞
標準
文例 · 用例
天保銭は置き剰って縄に繋いで棟々の床下に埋めた。
— 岡本かの子 『雛妓』 青空文庫
駅のどの家ももう戸を閉めてしまって、一面の星の下に、棟々が黒く列びました。
— 宮沢賢治 『雁の童子』 青空文庫
立ち昇る焔、焼け落ちる棟々、ぼんやり出ている月を包んで、火の粉を梨地に含みながら、空を蔽う煙り煙り!
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
二 いく種類もの作業場が棟々に分れていて、石炭殼をしいた道がポプラの並木のある正門からそれぞれの方角に通じている。
— 宮本百合子 『三月の第四日曜』 青空文庫
新開の歩道から草原ごしにその高塀を眺めると、塀の上から白っぽい建物の棟々が見えたりして、余り異様な感じは与えない。
— 宮本百合子 『播州平野』 青空文庫
きらめく瀬戸内海の碧さに向って巨大に建て連っていたもとの人絹工場、後の飛行機工場の白い建物や、陸軍燃料廠の棟々は、どこにも見えなかった。
— 宮本百合子 『播州平野』 青空文庫
程経て、兵馬はその炉辺を立ち、数多い棟々のいくつもの部屋を調べに出かけました。
— みちりやの巻 『大菩薩峠』 青空文庫
徳の内に輝く至幸至福は、それに連なるあらゆる棟々、そのあらゆる小路小路に充満して、表門から裏門にまで及ぶ。
— ESSAIS DE MONTAIGNE 『モンテーニュ随想録』 青空文庫