香花
こうばな
名詞
標準
文例 · 用例
民子のためには真に千僧の供養にまさるあなたの香花、どうぞ政夫さん、よオくお参りをして下さい……今日は民子も定めて草葉の蔭で嬉しかろう……なあ此人にせめて一度でも、目をねむらない民子に……まアせめて一度でも逢わせてやりたかった……」 三人は眼をこすっている様子。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
考えれば考えるほどあの児が可哀相で可哀相で居ても起っても居られない……せめてあなたに来て頂いて、皆が悪かったことを十分あなたにお詫びをし、またあれの墓にも香花をあなたの手から手向けて頂いたら、少しは家中の心持も休まるかと思いまして……今日のことをなんぼう待ちましたろ。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
こんな事は何所にでもあるか知らないが、線香花火のような軽率な流行は実際何よりもいやな気がします。
— "Not till the sun excludes you, do I exclude you; 『●「或る女」巻頭のホイットマンの詩』 青空文庫
いつか上の姉が、なにもなくてえ、と顏を赤くして言ひつつ線香花火を五束六束バスケツトから出して私に與へたが、私はそのとき胸をしめつけられる思ひがした。
— 太宰治 『思ひ出』 青空文庫
(数枝)(睦子の手に握られてある一束の線香花火に気附いて)おや、これは何?
— ―――三幕 『冬の花火』 青空文庫
(ひくく笑う)線香花火だけは、たくさんお店にあってね。
— ―――三幕 『冬の花火』 青空文庫
こんな線香花火なんかよりは、子供にはいい玩具かもわからない。
— ―――三幕 『冬の花火』 青空文庫
(睦子の手から線香花火を取っていじりながら)冬の花火なんて、何だか気味が悪いわねえ。
— ―――三幕 『冬の花火』 青空文庫