顔術
かおじゅつ
名詞
標準
文例 · 用例
バビプによって手術された近代女のヴァルバ、マルセル・ウェーブによって美の典型を指示した化粧術、最もきわどいエルンスト・フルウ氏の子宮除去法、知人の政府委員はメイ・フレデリックの美顔術によってマルクス学の国家理論さえ見下す約束手形を振り出した。
— Love on Drought 『恋の一杯売』 青空文庫
近頃日本でも美顔術といって顔の垢を吸出して見たり、クリームを塗抹して見たりいろいろの化粧をしてくれる専門家が出て来ましたが、ああいう商売はおそらく昔はないのでしょう。
— 夏目漱石 『道楽と職業』 青空文庫
今日のように職業が芋の蔓みたようにそれからそれへと延びて行っていろいろ種類が殖えなければ、美顔術などという細かな商売は存在ができなかろうと思う。
— 夏目漱石 『道楽と職業』 青空文庫
女の秘密11・23(夕) ある美顔術師が千里眼問題で名を売つた福来友吉博士を訪問した事があつた。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
すると盛装した夫人がひよつくり応接室へ顔を出して、これから或る婦人会へ出掛けるといふ挨拶なので、美顔術師は、「ぢや、一寸お待ちなさい、こゝでお化粧して上げますから。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
美顔術師は掌面でパラピンのやうに夫人の顔を弄つてゐたが、暫くすると、見違へる程美しくなつた。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
先刻から夫人のお連が玄関で待つてゐる由を聞いた美顔術師は、何も序でだからその人の顔をも一緒に弄つてやらうかと云ひ出した。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
美顔術師の所へ通う多くの婦人連は、途中でその美顔術師に遭つても、外つ方を向いて成るべく素知らぬ顔をする。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫