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擒縦

きんしょう
名詞
1
標準
文例 · 用例
運命の擒縦を感ずる点において、ドストイェフスキーと余とは、ほとんど詩と散文ほどの相違がある。
夏目漱石 思い出す事など 青空文庫
思想や信仰は自ら作るもので人から与えるべきものでないから、求めるものの方が間違ってるが、左に右く二葉亭は八門|遁甲というような何処から切込んでも切崩す事の出来ない論陣を張って、時々奇兵を放っては対手を焦らしたり悩ましたりする擒縦殺活自在の思弁に頗る長じていた。
内田魯庵 二葉亭余談 青空文庫
こっちがあせればあせるほど、擒縦の呼吸をつかむことが、今になって、わからないでもない。
めいろの巻 大菩薩峠 青空文庫
ただ、根競べにて、勝を制せんと思うものから、急らず逼らず、擒縦の術を尽せしが、敵の力や多少弱りけん、四五間近く寄る毎に、翻然延し返したる彼も、今回は、やや静かに寄る如く、鈎※の結び目さえ、既に手元に入りたれば、船頭も心得て、玉網を擬し、暗流を見つめて、浮かば抄わんと相待つ。
石井研堂 大利根の大物釣 青空文庫