髪山
かみやま
名詞
標準
文例 · 用例
御先祖の霊前に近く、覚悟はよいか、嬉しゅうござんす、お妻の胸元を刺貫き――洋刀か――はてな、そこまでは聞いておかない――返す刀で、峨々たる巌石を背に、十文字の立ち腹を掻切って、大蘇芳年の筆の冴を見よ、描く処の錦絵のごとく、黒髪山の山裾に血を流そうとしたのであった。
— 泉鏡花 『開扉一妖帖』 青空文庫
竜頭の滝を見て、戦場ヶ原の入口に入りし時は、雨ようやく晴れて、額が痛くなるほど黒髪山が頭上にのぞいている。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
三 栗の花 三年の間下宿していた吉住の家は黒髪山のふもともやや奥まった所である。
— 寺田寅彦 『花物語』 青空文庫
此駅より海面に島々見ゆる中に、せん島黒髪山島尤大なり。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
で、その山というのはね、あの青髪山なのさ」「えっ、青髪山!
— 海野十三 『雪魔』 青空文庫
青髪山ならたいへんである。
— 海野十三 『雪魔』 青空文庫
青髪山には昔から魔神がすんでいるという話で、そこへ入った者は無事に里へもどれないそうだ。
— 海野十三 『雪魔』 青空文庫
猟師だって、どんないい獲物を追っていても、その青髪山には近づきはしない。
— 海野十三 『雪魔』 青空文庫