散銭
さんせん
名詞
標準
文例 · 用例
散銭と縄との喩は貫の字について説かれて甚だ優れているが、この枝葉の良好と根の生気との喩の方が説き得ていよいよ優れていて、これに由って如何なる人も一貫の趣旨を理解できるであろう。
— 幸田露伴 『一貫章義(現代訳)』 青空文庫
かりに団十郎が五万円取ったとしても、市川団十郎として初めて大阪へ乗込む以上、芝居道の習慣として諸方へ配る土産その他の散銭はおびただしいものだ。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
胴乱の中では散銭が苦しさうに泣き声を立てました。
— 薄田泣菫 『小壺狩』 青空文庫
散銭に色々文字替りがあるやうに、顔立で別けると女にも色々種類はあるが、大抵は皆男に親切なものさ。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
尤も画家などいふものは、無駄口と同情は他一|倍持合せてゐる癖に、金といつては散銭一つ持つてない輩が多いが、さういふ輩は財布を開ける代りに、青木氏を自分の宅に連れ込んで、一|月二|月は立養ひをしたものださうだ。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
財布には散銭一つ鳴つてゐなかつた。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
そして汚れた巾着から散銭を二つ三つ取り出して、態と道の上に落した。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫
良寛は手をのばしてその散銭を拾つたが、格別変つた気持もしなかつた。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫