斃死
へいし
名詞
標準
文例 · 用例
阿母が死んだあとで、段々馬場も寂れて、一斉に二|頭斃死た馬を売って、自暴酒を飲んだのが、もう飲仕舞で。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
」「何か、直ぐに連れてここへ来る手筈じゃった、猿は、留木から落ちて縁の下へ半分|身体を突込んで、斃死ていたげに云う……嘘でないな。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
それにね、長屋の奴らは猫婆が斃死って好い気味だぐらいに思っているんですから、誰も詮議をする者なんぞはありゃしません。
— 猫騒動 『半七捕物帳』 青空文庫
蟇は四面の鏡に映り交わす幾十幾百のわが姿に怯えもし、憤りもして必死の対抗を続けるうち、身体中の脂を出し切ってしまって斃死するというその話です」 葛岡はいいます、自分はこの期になって、実は仕舞ったと思った。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
人々は、あの鏡に攻められ渾身の脂をにじみ出して斃死する蟇をば、不幸にして苦痛極まるものゝように思う。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
二 次に問題にしたいと思う怪異は「頽馬」「提馬風」また濃尾地方で「ギバ」と称するもので、これは馬を襲ってそれを斃死させる魔物だそうである。
— 寺田寅彦 『怪異考』 青空文庫
すなわち人間にはなんらの害を及ぼさない程度の放電によって馬が斃死しうるかどうかという事である。
— 寺田寅彦 『怪異考』 青空文庫
一切の學科に於て、皆其の學の深からんことを欲すれば、萬能力を有せざる以上は、其の人の神疲れ精竭きて、困悶斃死を免れざらんとするのが數理である。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫