征軍
せいぐん
名詞
標準
文例 · 用例
日露戦争の出征軍歌を、くりかえしくりかえし歌っては、庭を巡回して居ました、その一回の起点が丁度私達の立って見て居る廊下の堅牢な硝子扉の前なのです。
— 岡本かの子 『病房にたわむ花』 青空文庫
啻に然るのみならず、出征軍陣営中の演劇は到る処に盛であつた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
」軍艦とは北征軍艦八隻の内であらう。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
歌舞伎座にては七月二十八、二十九、三十の三日間、出征軍人慰問劇を興行し、来遊中のフランス女優テーラー嬢も団十郎の一座と共に出勤。
— 岡本綺堂 『明治演劇年表』 青空文庫
又その前面には一人の女に内を守らしめて、屈強の男四人左右に遠征軍を組織し、左翼を狼藉組と称し、右翼を蹂躙隊と称するも、実は金剛石の鼻柱を挫かんと大童になれるに外ならざるなり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
つい以前、光子と二人で近所の活動写真を見に行つた時、その時の写真は召集令といふ出征軍人の家庭を写した悲劇だつた、初めに召集令の降るべき村落の景色が映つた、畑を耕す無心な農夫、さんさんと流るゝおだやかな川、「やがてこの静かな村にも召集令は降るのであります。
— 牧野信一 『若い作家と蠅』 青空文庫
東征軍が出発した後の大坂は、あたかも大きな潮の引いたあとのようになった。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
新政府が東征軍進発のために立てた予算は当局者以外にだれも知るよしもなかったが、大坂の町人で御用金の命に応じたり、あるいは奮って国恩のために上納金を願い出たりしたもののうわさは、金銭のことにくわしい市民の口に上らずにはいなかったころである。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫