渾然
こんぜん
形容詞-たる副詞-と
標準
whole
文例 · 用例
疳高い甘え声が、真昼の暑熱が漸く鈍い渾然さをみせた夕刻の空気の中を、矢のやうに走つた。
— 中原中也 『医者と赤ン坊』 青空文庫
その石も巨大なるブッ欠きや、角の取れない切石や、石炭のかすのような「つぶて」で、一個一個としては、咸陽宮の瓦一枚にすら如かないものであるが、これが渾然として、富士山という創造的合成を築き上げたとき、草も、木も、人も、室も、この中へと融合同化してしまう。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
しかし、一度にもっと渾然として而も純粋で爽かな充足を欲した。
— 岡本かの子 『桃のある風景』 青空文庫
自然の不可思議な機構を捜る喜びと、本能の欲求する睡眠を抑制するつらさとが渾然と融和した形になって当時の記憶を彩っているようである。
— 寺田寅彦 『箱根熱海バス紀行』 青空文庫
しかしあらゆる可能な漫画家を一団として見る時には、各画家を微分とした無限項の和としての積分は渾然たる一つの定まった極限値を有する「真の」一面と考えるに不都合があるだろうか。
— 寺田寅彦 『漫画と科学』 青空文庫
序幕としてこんなに渾然としたものは割合に少ないようである。
— 寺田寅彦 『映画雑感6』 青空文庫
その渾然たる家庭的空氣の中で、室生は机を清め、硯を洗ひ、端然として靜かに物を書いてるのである。
— 萩原朔太郎 『所得人 室生犀星』 青空文庫
万葉の短歌や蕉門の俳句におけるがごとく人と自然との渾然として融合したものを見いだすことは私にははなはだ困難なように思われるのである。
— 寺田寅彦 『日本人の自然観』 青空文庫
作例 · 標準
山々と空は、夕日の光に照らされて渾然一体となっていた。
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彼の音楽は、様々なジャンルが渾然となっており、独自の世界を築いている。
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この絵画は、色彩が渾然となっており、見る者に深い感動を与える。
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