河童頭
かっぱあたま
名詞
標準
文例 · 用例
十三四歳の男の児を河童頭に剃らせて、顔や手足を鍋墨で真っ黒に塗って、大きな口から紅い舌をべろりと出して、がらがらがあと不思議な鳴き声を聞かせる。
— お照の父 『半七捕物帳』 青空文庫
……育ちのよい少年の如く殊の外気弱な井深君は胸を動悸させ乍ら、逆毛立ってやわらかい草むらのように縺れ合っているお河童頭の後姿を見送った。
— 渡辺温 『嘘』 青空文庫
娘のお河童頭とオレンジ色のジャケツとは忽ち真白になった。
— 渡辺温 『嘘』 青空文庫
河童頭にじんじんはしょり、五つ六つの男の子が、てんてこてん、てんてこてん座敷の縁ではねている。
— 林不忘 『つづれ烏羽玉』 青空文庫
「……」マスミは黙って下うつむき、彼女のオーヴァに顔をつけたまま恐ろしそうに獅噛みついている絹坊のお河童頭を撫でていた。
— 海野十三 『深夜の市長』 青空文庫
」「マリ子って、いうわ、どうぞよろしく」 イートン・クロップのお河童頭がよく似合う子だった。
— 海野十三 『西湖の屍人』 青空文庫
黄八丈の着物に鹿の子の帯を締め、そしてお河童頭には紅いリボンを三つも結んでいるというのがそのころの妾自身の身形だった。
— 海野十三 『三人の双生児』 青空文庫
かたわらなるは、十七八歳の令嬢ふうの美婦人、座席の上に横坐りして絹靴下の蹠を広く一般に公開し、荷物棚から真田紐でつるした一個二|法の貸し枕に河童頭をもたらせ、すやすやと熟睡する相好は、さながら動物図鑑の※画に描ける海狸もかくやと思われるばかり、世にも愛らしき眺めであった。
— 謝肉祭の支那服 ――地中海避寒地の巻―― 『ノンシャラン道中記』 青空文庫