波々
波々
名詞
標準
文例 · 用例
」 芬々薫る処を、波々と、樽から酌いでくれたから、私はごくごくと傾けた。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
エの朱線のフラフ、屋形、モーター・ボート、輝く波々、桟橋の童、風、風、風。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
侘助のもつ小形の杯では、波々と掬んだところで、それに盛られる日の雫はほんの僅かなものに過ぎなからうが、それでも侘助は心から酔ひ足つてゐる。
— 薄田泣菫 『侘助椿』 青空文庫
夫人はそれからバケツに水を波々と掬むで来て、馬の鼻先につきつける。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫
春とはいひながら、時折はつめたいものがちらづかうといふ今日この頃、素肌のまま土塊をおし分けて立ち上り、牙彫のやうな円くつめたい腕を高々とさし伸べ、しなやかな指につまみ上げた金と銀との盃に、日光の芳醇なしたたりを波々と掬ひ取らうとするこの花の姿には、年若な尼僧にでも見るやうな清浄さがある。
— 薄田泣菫 『独楽園』 青空文庫
佗助のもつ小形の杯では、波々と掬んだところで、それに盛られる日の雫はほんの僅なものに過ぎなからうが、それでも佗助は心から酔ひ足つてゐる。
— 薄田泣菫 『独楽園』 青空文庫
茶碗に一杯に波々と注いだ酒、地酒ではあるが、それでもかれ等を醉はせるには十分だ。
— 田山花袋 『歸國』 青空文庫
』 茶碗に波々と酒をついで貰ひながら、『旦那だから言ふがな?
— 田山録弥 『船路』 青空文庫