雪泥
せつでい
名詞
標準
muddy slush
文例 · 用例
十二月十二日 夕方、水車の道に沿った例の小さな教会の前を私が通りかかると、そこの小使らしい男が雪泥の上に丹念に石炭殻を撒いていた。
— 堀辰雄 『風立ちぬ』 青空文庫
朝から駆け廻っているらしい疲れた顔や背中に、雪泥が刎ねあがっているのも凡事の姿ではなかった。
— 吉川英治 『旗岡巡査』 青空文庫
雪泥にまみれ、さんばら髪で、抜き身の刀を持っている安宅の姿が、片明りの提灯の光のため、実際よりもはるかにすさまじく見えたらしい。
— 山本周五郎 『滝口』 青空文庫
私は急に足が重くなったように感じ、雪泥の道を拾ってゆくことも忘れて、幾たびかぬかるみへ踏みこんだ。
— 山本周五郎 『ばちあたり』 青空文庫
伝七郎の足が、雪泥の中へ、火をすっかり踏みつぶし、武者ぶるいしながら廂の下から出て行くのを見届けると、彼は反対に、御堂の床下へもぐって、闇の中に屈み込んでいた。
— 風の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
新任の知事などとは雪泥の相違があらう。
— 吉川英治 『折々の記』 青空文庫
軍団は幾部隊にも分れて前後し、部隊はまた小荷駄、大荷駄、鉄砲、鑓、騎馬、足軽等の組々に分れて、雪泥を冒しつつ進んで行く。
— 第九分冊 『新書太閤記』 青空文庫
そして、お母さんのいうとおりに、いつでも、だれにでもしんせつでいました。
— ASCHENPUTTEL 『アッシェンプッテル』 青空文庫
作例 · 標準
道路に溜まった汚い雪泥が、通り過ぎる車のタイヤに跳ね飛ばされて歩行者の服を汚した。
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昨晩の雪が中途半端に溶けて雪泥となり、足元が非常に滑りやすくなっている。
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「玄関が雪泥でびしょびしょだわ、早く拭き取らないと」と母親がため息をついた。
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標準
slush (esp. formed by snow on a body of water)
作例 · 標準
極寒の海面に浮かぶ雪泥が、波に揺られながら静かに凍りついていく。
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「水面がシャーベット状の雪泥で覆われているから、船を出すのは少し厳しいね」と漁師が言った。
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湖の入り江に溜まった雪泥が、朝日に照らされて不思議な光沢を放っている。
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