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覗眼

ねらいがん
名詞
1
標準
文例 · 用例
舟には覗眼鏡、探り絲、八尺、それから筵を何枚も縫い合し、それに錘をつけたものや、樹木の枝を数十本束ねて太い縄でしばり上げそれに十貫にあまる石をおもりとして結びつけたものを数箇つみこんだ。
島木健作 鰊漁場 青空文庫
一町先も見えんというので発明したのが、覗眼鏡に、呼遠筒、詳しくは、寄席へ来て、きかっし」 南玉が出て行くと「八文も払って、誰が、手前の講釈なんぞ聞くか」 富士春の稽古部屋では、時々、小さい女が出入して、蝋燭の心を切った。
直木三十五 南国太平記 青空文庫
こういう大官や名家の折紙が附いたので益々人気を湧かして、浅草の西洋覗眼鏡を見ないものは文明開化人でないようにいわれ、我も我もと毎日見物の山をなして椿岳は一挙に三千円から儲けたそうだ。
――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 淡島椿岳 青空文庫
人生の種々様々なる断面が覗眼鏡を透して見物する多彩なパノラマとなつて次々に展開し、あらゆる事象が小説なるもののふるひにかけられると澎湃たる夢に覆はれてゐて、うつとりと私の胸に迫つて来るのです。
牧野信一 早春のひところ 青空文庫
それから父は瓢箪池の傍で万国一覧という覗眼鏡を拵えて見世物を開きました。
淡島寒月 寺内の奇人団 青空文庫
その覗眼鏡の中でナポレオン三世が、ローマのバチカンに行く行列があったのを覚えています。
――浅草奥山の草分―― 諸国の玩具 青空文庫
古い池の辺は藪で、狐や狸が住んでいた位で、その藪を開いて例の「万国一覧」の覗眼鏡の興行があったのです。
――浅草奥山の草分―― 諸国の玩具 青空文庫
それから面白いのは、父がゴム枕を持っていたのを、仮名垣魯文さんが欲しがって、例の覗眼鏡の軍艦の下を張る反古がなかった処、魯文さんが自分の草稿|一屑籠持って来て、その代りに欲しがっていたゴム枕を父があげた事を覚えています。
――浅草奥山の草分―― 諸国の玩具 青空文庫