稠密
ちゅうみつ異読 ちょうみつ
形容動詞名詞動詞-サ変動詞-自動詞多音語
標準
dense
文例 · 用例
我国本土の中でも中国の如き、人口|稠密の地に成長して山をも野をも人間の力で平げ尽したる光景を見慣れたる余にありては、東北の原野すら既に我自然に帰依したるの情を動かしたるに、北海道を見るに及びて、如何で心躍らざらん、札幌は北海道の東京でありながら、満目の光景は殆ど余を魔し去つたのである。
— 國木田独歩 『空知川の岸辺』 青空文庫
生垣があり※駝師の植木があって、人家は稠密と云うほどでもないが、それでもかなり人家があるので、燈の一つも見えないと云うはずがなかった。
— 田中貢太郎 『馬の顔』 青空文庫
六月の午後の真昼間だというに、そして所はといえば、英国きっての人口の稠密な地方だというに一列車が乗客を載せたまま、熟練な化学実験の大家が空々たる瓦斯にでも変化してしまったかのように、影も形も見えなくなったのだ。
— コナン・ドイル 『臨時急行列車の紛失』 青空文庫
殊に下町のような人家稠密の場所では内風呂を禁じられていたので、大家と云われるほどの商家の主人でも、大抵は銭湯へ入浴に行った。
— 岡本綺堂 『明治時代の湯屋』 青空文庫
荷物を運ぶといっても、人家|稠密の場所とて、まず駒形堂|辺へ持って行くほかに道はない。
— 浅草の大火のはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
非常時、準戦時、戦時、等々の、常態から異常態への推移の段階は段々稠密となり遂に連続した一本の糸となって来ることは、人の知る通りである。
— 戸坂潤 『戦争ジャーナリスト論』 青空文庫
面積や道具だての宏大な割に人口がきわめて不稠密な点からいうと、沙漠の上に捨てられてある廃都にも似かよっていたが、その魅惑的であり神秘的であり多元的である点については、沙漠に埋れている廃都などとは比すべくもない。
— 海野十三 『深夜の市長』 青空文庫
わるく赤っぽく、光る金箔で霞を置いた仕切りの中に、近江八景がまるで風情のない田舎くさく稠密な筆で描いてある。
— 宮本百合子 『一九二三年夏』 青空文庫
作例 · 標準
大都市の中心部は、建物が稠密に立ち並んでいる。
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稠密な森林の中を一人で歩くのは危険だ。
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人口が稠密な地域では、交通渋滞が深刻だ。
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