犇
犇
名詞
標準
文例 · 用例
人垣は急に崩れて、大風に偃す野草の如く、芳の通路を拓けども、何分多人數であるから、幾重にも犇犇と垣あり。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫
という言葉が胸に犇々と迫って来る。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
その実を犇と護らなん、と呶鳴るようにして歌った自分の声が、まだ耳の底に残っているような気がする。
— 太宰治 『乞食学生』 青空文庫
その実を犇と護らなん、その歌の一句を、私は深刻な苦笑でもって、再び三度、反芻しているばかりであった。
— 太宰治 『乞食学生』 青空文庫
妾の人格はロダンさんの偉大な人格の力のなかに犇と棲んだのです。
— 吉行エイスケ 『バルザックの寝巻姿』 青空文庫
地上には無数の長靴と空間には驢馬が犇めいていた。
— Love on Drought 『恋の一杯売』 青空文庫
」 と渠は獨り頷きつゝ、從容として立上り、甲板の欄干に凭りて、犇き合へる乘客等を顧みて、「いや、誰方もお騷ぎなさるな。
— 泉鏡花 『旅僧』 青空文庫
静と立ってると、天窓がふらふら、おしつけられるような、しめつけられるような、犇々と重いものでおされるような、切ない、堪らない気がして、もはや!
— 泉鏡花 『星あかり』 青空文庫