固有性
こゆうせい
名詞
標準
文例 · 用例
人間性というのは、これが洪積世以後人間にまで進化してから各種の体験に依って作り上げた特性で、こんなのが通有性と固有性とを問わずゴチャゴチャと遺伝されている事は申すまでもありませぬ。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
動物性と人間性……固有性と通有性……ただ個性というものの中にも、これだけの複雑広大な因子が含まれております。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
斯の如く、固有性に於て慰藉物なるもの、附属性に於て実用品たることあり(之と反対の例をも見よ)。
— 北村透谷 『明治文学管見』 青空文庫
記号のうちに捉えられるものは記号された物の特殊な固有性でなく、それが他の類似のものに対して立っている客観的な関係である。
— 三木清 『哲学入門』 青空文庫
形は物をその固有性において現わすのである。
— 三木清 『哲学入門』 青空文庫
それは對象をその固有性に於て認識し、理解しようとする。
— 三木清 『歴史哲學』 青空文庫
そんなものは道徳の固有性を倫理学的に誇張した偏見に過ぎない。
— 戸坂潤 『道徳の観念』 青空文庫
この「徹底」に西田哲学の今の場合の固有性があるのだが、とに角一つの徹底段階であったヘーゲルに於てのように、西田哲学が、一切の哲学体系を分解し再構成出来る見透しがつきそうに見えるのは、このロマンティーク的な範疇世界体系組織という認識目的から来る、当然な現象なのである。
— ――現代日本に於ける日本主義・ファシズム・自由主義・思想の批判 『日本イデオロギー論』 青空文庫