無手勝
むてかつ
名詞
標準
文例 · 用例
ところがめずらしくも「短めのコラムを」と口がかかったものだから、まさかたくさん書いたからコラムのページ数を増やせというわけにも行かんだろうなと覚悟を決めたオレは、普段使用している格調高い文体からフローチャート主義まで、一切合財を裏山に捨てて、無手勝つ流原稿作成作戦にでた。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
敵を即座の楯とする、早乙女主水之介、無手勝流の奥義。
— 千代田城へ乗り込んだ退屈男 『旗本退屈男 第十一話』 青空文庫
七世はそれらの無手勝流から幾多の極意を発見して自家の流儀に加へることに成功した。
— 牧野信一 『天狗洞食客記』 青空文庫
去年あたりから、書道の他流試合を横溝君とやることになり、何度も書を送るのですが、無手勝流といふわけか、一度も横溝君の方から送つて來ないのには困つたものですよ。
— 探偵作家お道樂帳・その五 『海野十三氏の辯』 青空文庫
与えられた現実はその瞬間々々事実そういう状態におかれているから、この現実の矛盾を実地に解決しようとしない人にとっては、こういう無手勝流の論理も論理の名に値いしよう。
— 戸坂潤 『現代唯物論講話』 青空文庫
日本の兵法がどんなにバカげたものかと云へば、甲州流だの楠流だの、みんな無手勝流、つまり実力なくして、戦はず勝つ、あるひはゴマカシて勝つ戦法。
— 坂口安吾 『散る日本』 青空文庫
無手勝流 夜中にふと目をさまし、有金を出せと言つて秋水をつきつけられた場合。
— 坂口安吾 『剣術の極意を語る』 青空文庫
勿論全くの無手勝流ではこまるが、例えば日本全國、又は世界全體の圖書の題目とその所在が即時にわかるような、カードばかりの圖書館は考えられぬだろうか。
— 金森徳次郎 『素人圖書館人の手記』 青空文庫