藁床
わらどこ
名詞
標準
文例 · 用例
ひろごるや藁床の上に。
— 長塚節 『長塚節歌集 上』 青空文庫
そこには大きな針金で拵えた籠があって、よく肥ったモルモットが三十匹ほど、藁床の上をゴソゴソ匍いまわっていた。
— 海野十三 『恐しき通夜』 青空文庫
たとえ食べものや寝所が欲しさに戸を叩いたとしても、牛|小舎の隅の藁床へなりと寝かしてくれたっていいじゃないか。
— モーリス・ルヴェル Maurice Level 『乞食』 青空文庫
それも、何で見られるのか判れば私だって気が楽だけど」 夫婦が、店に続く奥の小部屋で木の卓上に向い合い、こんな話をする時分、フランツは、彼の藁床でもうぐっすり寝ついていた。
— 宮本百合子 『顔』 青空文庫
死ぬかも知れないという不安を賭けての仕事だから、諦めはついたが、この馬は死の直前に発狂して、クワッと血走った目をひらいて瀕死の藁床から起き上ると、天へ跳び上るような恰好をした。
— 坂口安吾 『水鳥亭』 青空文庫
そこで小母さんが藁床のそばへやって来て、話してくれたところによると、伯爵は一通りの窮命がすむと、アルカージイを呼び寄せて、こう申し渡したのだそうです、――「本来ならお前は、兼々わしが言っておいた通りの目に逢わねばならんところなのだが、日ごろの寵愛に免じて、今度だけは特に寛大な処置をしてとらせる。
— TUPEJNYJ HUDOZHNIK 『かもじの美術家』 青空文庫
「ここにいい藁床をつくって上げるからね。
— 山深きヴェストファーレンの風俗畫 『ユダヤ人のブナの木』 青空文庫
またもう一人は、いよいよ臨終という時、煖炉の前の藁床の上にねかされていたが、「どこがお苦しいか」と医者がたずねると、「椅子と煖炉との間が苦しゅうござる」と答えた。
— ESSAIS DE MONTAIGNE 『モンテーニュ随想録』 青空文庫