皺寄せ
しわよせ
名詞
標準
文例 · 用例
舟とどめて互いに何をか語りしと問えど、酔うても言葉すくなき彼はただ額に深き二条の皺寄せて笑うのみ、その笑いはどことなく悲しげなるぞうたてき。
— 国木田独歩 『源おじ』 青空文庫
見つめらるる人は、座客のなめなるを厭ひてか、暫し眉根に皺寄せたりしが、とばかり思ひかへししにや、僅に笑を帯びて、一座を見度しぬ。
— 森鴎外 『うたかたの記』 青空文庫
何夢を見てゐるのか、眉と眉の間に皺寄せて苦し相に息をする。
— 石川啄木 『天鵞絨』 青空文庫
顔しかめたりとも額に皺よせたりともかく印象を明瞭ならしめじ、ことは同じけれど「眉あつめたる」の一語、美人|髣髴として前にあり。
— 正岡子規 『俳人蕪村』 青空文庫
顔しかめたりとも額に皺よせたりともかく印象を明瞭ならしめじ、事は同じけれど「眉あつめたる」の一語、美人|髣髴として前にあり。
— 正岡子規 『俳人蕪村』 青空文庫
馬は木に繋がれたまま、上唇をあげ鼻に皺よせ、ふふふと笑った。
— 豊島与志雄 『牛乳と馬』 青空文庫
眉に皺よせ知恵をしぼって、朝から晩まで歌を書く、歌を書く。
— ДЯДЯ ВАНЯ 『ワーニャ伯父さん』 青空文庫
去る二十九年頃の如く身体を運び得ず、精神と肉体と反比例となりてその肉体に不便を致し、所謂事務に迂鈍となり、頓珍漢の事のみ出来して実に困却せり」 正造は眉間に皺よせて筆先を硯にすりつけていたが、「但し御休神を乞うの一事あり、精神はますます清潔となり、気澄眼力旧に倍せる如きは奇中の奇、御喜び可被下候。
— 大鹿卓 『渡良瀬川』 青空文庫