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蘭鋳

らんちゅう
名詞
1
標準
文例 · 用例
その無技巧の丸い眼と、特殊の動作とから、復一の養い親の宗十郎は、大事なお得意の令嬢だから大きな声ではいえないがと断って、「まるで、金魚の蘭鋳だ」 と笑った。
岡本かの子 金魚撩乱 青空文庫
都下砂村の有名な金魚飼育商の秋山が蘭鋳からその雄々しい頭の肉瘤を採り、琉金のような体容の円美と房々とした尾を採って、頭尾二つとも完美な新種を得ようとする、ほとんど奇蹟にも等しい努力を始めて陶冶に陶冶を重ね、八ヶ年の努力の後、ようやく目的のものを得られたという。
岡本かの子 金魚撩乱 青空文庫
蘭鋳、和蘭獅子頭はもちろんとして、出目蘭鋳、頂点眼、秋錦、朱文錦、全蘭子、キャリコ、東錦、――それに十八世紀、ワシントン水産局の池で発生してむこうの学者が苦心の結果、型を固定させたという由緒付の米国生れの金魚、コメット・ゴールドフィッシュさえ備えられてあった。
岡本かの子 金魚撩乱 青空文庫
そして、これには原種の蘭鋳より仕立て上げる以外に、その感じの胴を持った金魚はない。
岡本かの子 金魚撩乱 青空文庫
復一のこころに、真佐子の子供のときの蘭鋳に似た稚純な姿が思い出された。
岡本かの子 金魚撩乱 青空文庫
復一は美事な蘭鋳の親魚を関西から取り寄せて、来るべき交媒の春を待った。
岡本かの子 金魚撩乱 青空文庫
蘭鋳は胴は稚純で可愛らしかった。
岡本かの子 金魚撩乱 青空文庫
それを他人事のように聞き流しながら、復一は関西から届いた蘭鋳の番いに冬越しの用意をしてやっていた。
岡本かの子 金魚撩乱 青空文庫