沽却
こきゃく
名詞
標準
文例 · 用例
「余今年四十五、貧窶尤甚、多年研究経籍、一旦沽却、以為養家之資、因賦一絶。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
前田家、上杉家等の貸附はほぼ取り立ててしまい、家に貯えた古金銀は概ね沽却せられたそうである。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
中にも『園太暦』のごときは、中院入道内府がかつて百二十三巻十四帙を千疋で買得して所持し来ったところ、同入道の歿後中院窮困したので、やむを得ず内幾冊かを沽却しようとした。
— 原勝郎 『東山時代における一縉紳の生活』 青空文庫
また実隆はかつて兼載から、信実の真跡と称する沽却物の人丸影像を示されて、大いにこれに涎垂したこともある。
— 原勝郎 『東山時代における一縉紳の生活』 青空文庫
そうした中においても我々に気づかれることは、紀州や大和の垣内には家地田畑以外に、必ず荒野というものが含まれているのみか、一部の田畠を沽却する場合にも、慣習として野地を取り添えた場合があったらしく、時としてその対価の非常に高いものがある。
— 柳田國男 『垣内の話』 青空文庫