矢数
やかず
名詞
標準
文例 · 用例
この話は井原西鶴の俳諧大矢数の興行を思いださせる。
— 寺田寅彦 『記録狂時代』 青空文庫
同夜、子の刻ごろより、石火矢数百|挺打ち放し候ところ、異船よりも数十挺打ち放し候えども地方へは届き申さず。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
時雨村雨、中空を雨の矢数につんざきぬ。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
住吉の社頭で大矢数一昼夜に二万三千五百句を吐いた西鶴が、そのような早口俳諧をもってする風俗描写の練達から自然散文の世界に入って、浮世草子「好色一代男」(天和二年)などを書き始めた必然の過程は、人生と芸術への疑いにみたされていた桃青にどのような感想を与えたであろうか。
— 宮本百合子 『芭蕉について』 青空文庫
今日も今日とて裏庭へ出て、目指す的と捲藁を狙ッて矢数幾十本かを試したので、少し疲れを覚えて来たゆえ、しばし一息を入れていると冷や冷やとして心地よい朝風が汗ばんで来た貌や、体や、力の張ッて来た右の腕へひやりひやりと当るのが実に心持のよいことであッた。
— 矢崎嵯峨の舎 『初恋』 青空文庫
番えた一番の矢はほとんど同時に互の胸部をさし貫いたものとしか、時間や、矢数の関係から考える外はなかった。
— 室生犀星 『姫たちばな』 青空文庫
一表の矢数は二百本。
— 大村兵庫の眼玉 『銭形平次捕物控』 青空文庫
「若様、今日はすこしあたりがおわるいですな」「なあに、きみには負けない」「僕はもう二本あてました」「僕は三本あてているよ」「僕は矢数が少ないんですもの」 と正三君は拾いにばかりゆくので、半分しか射る間がない。
— 佐々木邦 『苦心の学友』 青空文庫