蒸れ
むれ
名詞
標準
文例 · 用例
凡てのものはしん/\と暑さに蒸れた。
— 有島武郎 『實驗室』 青空文庫
……二三度、四五度、繰返すうちに、指にも、手にも、果は指環の緑碧紅黄の珠玉の数にも、言いようのない悪臭が蒸れ掛るように思われたので。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
何にも無い、畳の摺剥けたのがじめじめと、蒸れ湿ったその斑が、陰と明るみに、黄色に鼠に、雑多の虫螻の湧いて出た形に見える。
— 泉鏡花 『菎蒻本』 青空文庫
片側は一面な野の草で、蒸れの可恐い処でありましたよ。
— 泉鏡花 『白金之絵図』 青空文庫
「早く風を入れないと、おれたちはみんな蒸れてしまう。
— 宮沢賢治 『山男の四月』 青空文庫
「早く風を入れないと、おれたちはみんな蒸れてしまふ。
— 宮沢賢治 『山男の四月』 青空文庫
日南に蒸れる酢の臭に、葉も花片も萎えんとす。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
が、風がまたどこからか吹いて来て、湿っぽい、蒼臭い、汗蒸れた匂が、薬の香に交って、むらむらとそこらへ泳ぎ出す。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫