盾突く
たてつく
動詞
標準
文例 · 用例
だがそれが有害となる場合は必ずそれ自身が有害なるに非ずして、感傷が感傷に楯つき、性慾が性慾に楯つくからだ。
— 中原中也 『その頃の生活』 青空文庫
全て人間的シウ態といふものは、マイがマイセルフに楯つく所、甘んじる所から出て行く。
— 中原中也 『その頃の生活』 青空文庫
藤澤の旦那に楯つく奴なんざあ一人だつておくわけにやいかねえんだ。
— 島木健作 『黎明』 青空文庫
醫者の藥が果してどれほどの效果があつたかもわからず、癒り切らぬままに推移する慢性病の場合は勿論、治療の結果がはつきりしてゐる場合でも、その癒りやうが自分の思つた通りでないと醫者に楯つくものがあつた。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
』『其は、お前が、腕もありもしない癖に、妙に私に楯つくぢやないか。
— 徳田秋聲 『絶望』 青空文庫
仁右衛門はあたり近所の小作人に対して二言目には喧嘩面を見せたが六尺ゆたかの彼れに楯つくものは一人もなかった。
— 有島武郎 『カインの末裔』 青空文庫
芝居の狂言などでも、尉官に関してなら、すべて大目に見て差し支えないが、いやしくも佐官級の人物に楯つくなどという場面は絶対にいけないという考えを持っていた。
— ニコライ・ゴーゴリ 『鼻』 青空文庫
だけれども、誰にだってその無茶苦茶ぶりがわかりきっている横柄ずくなやりかたに、いまさら楯つくのは大人気ない、という感情は、あのころの日本の一般的な気持であった。
— 宮本百合子 『世紀の「分別」』 青空文庫