九尺二間
くしゃくにけん
名詞
標準
(tiny) house about nine feet wide and 12 feet deep
文例 · 用例
魯文の住んでいた家は、二人の書肆が醵金して買ってくれたもので、間口九尺二間、奥行二間半、表の室の三畳敷は畳があったけれども、裏の方は根太板のままでそれに薄縁が処まばらに敷いてあった。
— 田中貢太郎 『死体の匂い』 青空文庫
ちょっと九尺二間を建てるにしても、場所がいまの田畝ではどうにもならず。
— 泉鏡花 『神鷺之巻』 青空文庫
例えば、お抱え車夫からいきなり新聞を経営するなど、既にただの人間ではない――と思っていたところ、果して施灸巡業を思いついたり、どこかへ姿をくらましてしまったと思っていると、いつの間にか、九尺二間の店ながら、製薬の本舗に収まっている。
— 織田作之助 『勧善懲悪』 青空文庫
自分のような九尺二間のあばら家へ相応の家から来てくれてがあろうとも思わず、よしまた、あると仮定して上っ冠りするのはなお嫌。
— 家内を貰った頃のはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
今この広告を見て実際を探りし人の話を聞くに 蠣殻町辺に事務員を求めるといふ広告があつたので、出掛けて往つて見ると、九尺二間位な小さき家に怪しい者が住んで居る。
— 正岡子規 『病牀六尺』 青空文庫
さてそれらを購い来て軒近く掲ぐるに、古くさい九尺二間の陋屋にもどこかに見らるるふしの出で来て、都の家々一時はいずれも新しくなるが嬉しい。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
九尺二間というのがこれだなと思って通り過ぎる。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
九尺二間に雨戸が二枚じゃ……スカラカ、チャカポコ。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫