遁竄
遁竄
名詞
標準
文例 · 用例
混沌忽ち拆けて、天地遽に開け、魑魅遁竄して、翔走皆欣ぶの勢が現はれるところの、所謂『水門開』の有樣を示す。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
そうして幕軍大いに潰え、六日夜慶喜は回陽丸に乗じ、海路江戸へ遁竄した。
— 国枝史郎 『大捕物仙人壺』 青空文庫
殊に、英艦によって舵機を砕かれ、前部砲塔を白煙に包まれながら、薄暮に紛れて遁竄してしまったあたりの条を、今一度読み直しておいていただく必要がある。
— 橘外男 『ウニデス潮流の彼方』 青空文庫
「いや、恩着せがましく申しては、ご不快かも知れぬが、あの折、敗亡|遁竄の果て、ご一身を容るる所もなき皇叔に、愍れみをかけた御方は、天下わが主おひとりであった。
— 図南の巻 『三国志』 青空文庫
この延元元年の二月二十九日は、さきに西国へ遁竄していた尊氏が、敗残の兵をのせて、長門の赤間ヶ関をはなれ、海上一日の航路をへて、たそがれ、筑前の芦屋ノ浦へただよい着いた日にあたっていた。
— 筑紫帖 『私本太平記』 青空文庫