洋薬
ようやく
名詞
標準
文例 · 用例
洋薬の漢薬に比して強烈なのは、彼は製煉物を用ゐ、此は天産物を用ゐる差にあつて、強烈なれば其量を微にする。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
母は、平生漢方の薬ばかりのんで西洋薬を好みませんでしたが、私が余りよくきいたのでまあ無理にすすめたのでございます。
— 浜尾四郎 『殺人鬼』 青空文庫
また父は、大坂の長與専齋、大井卜新二氏、神戸の外人ボオドイン氏寺の後援を得て、京都市内に一店を設け、洋薬を主として石油、洋酒等をも鬻ぎ「ポン水」と称して今の所謂ゆる「ラムネ」をも製造して販売せり。
— 與謝野禮嚴 『禮嚴法師歌集』 青空文庫
以上舎密局、小学校、病院、博覧会、鉱泉場等は、全国に於て京都府の率先して施設する所、また京都府下に養蚕、製茶を奨励し、洋薬、石油等を販売せるは、実に父を以て嚆矢とする所なり。
— 與謝野禮嚴 『禮嚴法師歌集』 青空文庫
おれにはうすうす見当がついているが、チトはっきりしかねる節があるので、八王子の柚木容斎先生のところへ猪之吉を飛ばせて、ちょっと物をたずねにやった」「柚木先生というと、あの、西洋薬草園の」「そうだ……猪之が間にあうように早く帰ってくれりゃアいいが。
— 蕃拉布 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
長崎から買い入れた西洋薬品や硝石やその他の材料は、藩の手で供給され、五名のお狼火方も冬から詰めきりで助力しているわけだった。
— 吉川英治 『銀河まつり』 青空文庫
――硝石購入帳、煙火道図式、西洋薬品記録、仕上入倉簿、職方日誌、賃銀貸出覚え。
— 吉川英治 『銀河まつり』 青空文庫
沓野の百姓に葡萄酒を造らせてみたり、温泉場の排泄物から、なんとかいう西洋薬をとる試験をしてみたり、また、この近郷の山に檜の苗を植えるといって、あまり百姓を加役に引っぱり出したため、佐久間騒動などという一揆をひき起したりした象山という学者は、あの人だったかなどと、彼女はそんなことを考えたりしていた。
— 吉川英治 『銀河まつり』 青空文庫