片帆
かたほ
名詞
標準
close-haul
文例 · 用例
みるとしもなく、ま帆片帆沖ゆく舟にみとれたる。
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
中禅寺の湖をながめて天雲のいはひもとほる湖の上に眞白片帆の舟歸る見ゆ歌袋歌滿ちあふるなめ革のかはり袋のありこせぬかも歌袋の歌は文して格堂にからかいやりしなり。
— 伊藤左千夫 『滝見の旅』 青空文庫
鶴見崎のあたり真帆片帆白し。
— 国木田独歩 『源おじ』 青空文庫
片帆の力を借りながら、テンポの正規的な汽鑵の音を響かせて、木下の乗る三千|噸の船はこの何とも知れない広大な一鉢の水の上を、無窮に浮き進んで行く。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
これより、「爺や茶屋」「箱根」「原口の瀧」「南瓜軒」「下櫻山」を經て、倒富士田越橋の袂を行けば、直にボートを見、眞帆片帆を望む。
— 泉鏡花 『逗子だより』 青空文庫
却って佃島の(鰯こ)に心を澄まし、初冬の朝の鰹にも我が朝の意気の壮なるを知って、窓の入口に河岸へ着いた帆柱の影を見ながら、この蒼空の雲を真帆、片帆、電燈の月も明石ヶ浦、どんなもんだ唐人、と太平楽で煩っていたのも、密に柳屋のお夏を健在、と思っての事であった。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
都鳥と片帆の玩具を苞に挿した形だ、とうっとり見上げる足許に、蝦蟇が喰附きそうな仙人掌の兀突とした鉢植に驚くあとから、続いて棕櫚の軒下に聳えたのは、毛の中から猿が覗きそうでいながら、却ってさまようものをしばらく彳ませ、憩わせる蔭を見せた。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
博士はその方をジロリと見ただけで、またすぐ沖合の灰色のジャンク船の片帆に視線はかえった。
— 海野十三 『軍用鮫』 青空文庫
作例 · 標準
嵐の中、船は片帆を上げて波を乗り切った。
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強い向かい風に、ヨットは片帆で進むしかなかった。
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片帆でも着実に進む船のように、諦めずに目標を目指した。
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