詳知
しょうち
名詞
標準
文例 · 用例
当時の離別の形式などは今これを詳知する材料に乏しいが、いずれ美しく笑って別れるということは有ろう筈無く、男の瞋眼、女の怨気、あさましく、忌わしい限りを尽して別れたことであったろう。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
大岡様へ申しあげる前に伊兵衛は不慮のやいばにたおれたのに、忠相はいかにしてお艶のその後の消息を詳知しているのか?
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
固より詳知し難しと雖とも、口碑に隨へば、或時コロボックルの女子貿易の爲アイヌの小屋の傍に行きしに、アイヌ共此女を捕へて内に引き入れ、其の手の入れ墨を見んとて、強ゐて抑留せし事有るに原因すとの事なり。
— 坪井正五郎 『コロボックル風俗考』 青空文庫
がん鍋はその家のありやうはぼくの如き当時年少で詳知しないけれども、錦絵などでは見る家の、その名は幼少からよく聞いてゐた名代の店屋で、維新の彰義隊騒ぎに、籠城の士がはじめにこのがんなべの屋上から官軍を防戦したといふ話など喧伝される、古い家である。
— 木村荘八 『「いろは」の五色ガラスについて』 青空文庫