薬水
くすりみず
名詞
標準
文例 · 用例
戴先生は間もなく後から来たが、その手には雄黄を入れた瓶と薬水を入れた瓶を持っていた。
— 田中貢太郎 『雷峯塔物語』 青空文庫
戴先生は間もなく後からやって来たが、手には雄黄を入れた瓶と薬水を入れた瓶を持っていた。
— 雷峯怪蹟 『蛇性の婬』 青空文庫
」麦生のひまに罌粟のいふ、「せめては紅きはしも見よ、そばめられたる身なれども、験ある露の薬水を盛りさゝげたる盃ぞ。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
いわゆる今日の外科道具で銀色の小刀、同じ色の鋏、象牙の箆、鹿の鞣し革、鵠毛の刷毛、鋭い鉄針、真鍮の輪、それと並べて大小の箱が、粉薬水薬を一杯に満たせ、整然として置かれてある。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
鬼をおひおとして下すつたえらい聖者さまがをられるさうで、そのありがたいお薬水をいただきたいといつて、いろんな人がおしかけてきました。
— 豊島与志雄 『スミトラ物語』 青空文庫
手品のげいを見ようといふ者は少く、たいていは、聖者さまのありがたいお薬水をいたゞきたいといつて、小さな瓶をさげて、お金やお菓子などのお供物を、たくさんもつてきてゐました。
— 豊島与志雄 『スミトラ物語』 青空文庫
わたしに、金銀のぬひのあるすばらしい着物をきせ、世の中をすくつて下さる聖者さまだといひふらし、お堂をたてゝその中にまつりこむ……そしてびんにつめた水を、ありがたいお薬水だといつてうりだす……そして大まうけをする……さういふつもりらしいんです。
— 豊島与志雄 『スミトラ物語』 青空文庫
(群衆の詞)皆言ひ合せて、まかり出でてすは 「薬水」これを直訳すれば、恰も、現代語の「……したことですは」と言ふことになる。
— 折口信夫 『「さうや さかいに」』 青空文庫