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名詞
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標準
文例 · 用例
夜九時、大風|室を四匝せる石壁を透徹して雷吼す、魄して耳目きはめて鋭敏となり、昨夜御殿場旅館階上の月を憶ひ起し、一人|窃に戸を排して出で、火孔に吹き飛ばされぬ用心して、這ふが如く剣ヶ峰に到り、その一角にしがみ附きて観る。
――明治三十六年八月七日御殿場口にて観察―― 霧の不二、月の不二 青空文庫
疲労の足を引き擦って、石壁の上に登りついたとき、眼は先ず晶々|粲々として、碧空に輝きわたる大雪田、海抜三千百八十九|米突の高頂から放射して、細胞のような小粒の雪が、半ば結晶し、半ば融けて、大気を含んだ、透明の泡が、岩の影に紫色を翳しているのに、眩ゆくなるばかりにいた、南方八月の雪!
小島烏水 白峰山脈縦断記 青空文庫
その立体構成面の威嚇的偉大さを、くべき簡単なる曲線で、統整して、しかも委曲に至っては、富士で謂うところの八百八谷の線から、おのずと発生する凹凸面の、複雑なる入り乱れのために、眼もあやになることを如何ともしがたい。
小島烏水 火と氷のシャスタ山 青空文庫
思うに、人事において流行や廃りのある如く、自然においても旧式のものと新式のものが自らある、空中飛行機にく心は、やがて彗星を異しむ心と同一であると云えよう。
小島烏水 高山の雪 青空文庫
その上「彼に属せざる者かれの天幕に住み……彼の跡は地に絶え彼の名は街衢に伝わらじ……彼はその民の中に子もなく孫もあらじ……これが日(審判を受けし日)を見るにおいて後に来る者はき先に出でし者は怖じ恐れん」、これ実に悪しき者の最後である。
内村鑑三 ヨブ記講演 青空文庫
彼が私を震させただけである。
――馬をさへ眺むる雪の朝かな―― 碧眼托鉢 青空文庫
そのとき車夫はいっせいに吶喊して馬をろかせり。
泉鏡花 義血侠血 青空文庫
白糸は始め不意の面会にきたりしが、再び渠を熟視するに及びておのれを忘れ、三たび渠を見て、愁然として首を低れたり。
泉鏡花 義血侠血 青空文庫