蓑毛
みのげ
名詞
標準
文例 · 用例
それだのに、十歩……いや、もっと十間ばかり隔たった処に、銑吉が立停まったのは、花の莟を、蓑毛に被いだ、舞の烏帽子のように翳して、葉の裏すく水の影に、白鷺が一羽、婀娜に、すっきりと羽を休めていたからである。
— 泉鏡花 『燈明之巻』 青空文庫
雪の蓑毛を爽に、もとの流の上に帰ったのは、あと口に水を含んだのであろうも知れない。
— 泉鏡花 『燈明之巻』 青空文庫
蓑毛も、胸毛も、散りぢりに、血は俎の上と、鷺の首と、おのが掌にたらたらと塗れていた。
— 泉鏡花 『神鷺之巻』 青空文庫
その背部の蓑毛を胸の方の房々の羽毛が逆に下から逆まきにかぶせているのは、ウソの身体の中で、一番|颯爽としているところだ。
— 高村光太郎 『木彫ウソを作った時』 青空文庫
背中の蓑毛と胸の羽毛の下からこの風切りが、もう一度あざやかな黒色で、黒頭巾との呼応をしている。
— 高村光太郎 『木彫ウソを作った時』 青空文庫
また、蓑帽子(羽前村山)蓑毛帽子(羽前|庄内)などいって頭からかぶるものがある。
— 柳宗悦 『蓑のこと』 青空文庫
次には「蓑毛」という言葉、これには三つの意味があるという。
— 柳宗悦 『蓑のこと』 青空文庫
『太平記』に「雨の降るが如くに射ける矢、二人の者共が鎧に、蓑毛の如くにぞ立たりける」。
— 柳宗悦 『蓑のこと』 青空文庫