対世
たいせい
名詞
標準
文例 · 用例
「私のこと、対世間的なことになると逸作は何でも危ながります」って私言ったの。
— 岡本かの子 『かの女の朝』 青空文庫
取り扱ってある対象は人間界と直接交渉のない生物界あるいは無機界のことであっても、そういう創作であれば、必ず読者の対世界観、ひいてはまた人生観になんらかの新しい領土を加えないではおかないであろう。
— 寺田寅彦 『科学と文学』 青空文庫
待対世界の凡てのものが悉く条件つきで其存在を許されてゐる以上、向後に回復されべき欧洲の平和にも、亦絶対の権威が伴つてゐない事だけは誰の眼にも明かである。
— 夏目漱石 『点頭録』 青空文庫
ただ詩人と画客なるものあって、飽くまでこの待対世界の精華を嚼んで、徹骨徹髄の清きを知る。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫
真面目と笑ひ 真面目を守本尊にして、驀地に進む形はまだ対世間である。
— 田山録弥 『解脱非解脱』 青空文庫
自己と世間 対世間の作や、批評や、言説の多いのは、いつの時代にもめづらしいことではないが、此頃は殊にそれが多い。
— 田山録弥 『解脱非解脱』 青空文庫
対世間の作者 同じやうな型にはまつた作、流行を趁つたやうな作、チヤンと構図と構成のきまつたやうな作、さうした作の多いのは、つまり対世間の作者が多いからである。
— 田山録弥 『解脱非解脱』 青空文庫
その反抗は、君の持つた反抗は、何から起るかと言ふに、対世間から起る。
— 田山録弥 『解脱非解脱』 青空文庫