遺領
いりょう
名詞
標準
文例 · 用例
その後、柳沢出羽守の執成しで、五代、河内守|忠挙に遺領と上邸を下され、やっとのことで御詰役になったが、またぞろ柳沢騒動に加担し、事、露見に及んで、病気を言いたててひき籠り、わずかにまぬかれるという窮境にたちいった。
— 久生十蘭 『無惨やな』 青空文庫
近頃それについて誰いうとなく、明智領の坂本四郡を父の遺領なるために蘭丸が欲しがっている、という風聞などがちらちら聞える。
— 第七分冊 『新書太閤記』 青空文庫
母公は猛りたって、「そちたちは、江東八十一州の遺領を、いながらにうけて、父祖の恩に、今日を豊かに送りながら、なお荊州を望んで、どうするというのじゃ。
— 望蜀の巻 『三国志』 青空文庫
なんでお恨みなどを」「勿体ないが、亡父の遺領を継いだればこそ、正成もこうしているが、本心、割って申せば、野や町に、気まま暮らしでいられる一軒が羨ましい。
— みなかみ帖 『私本太平記』 青空文庫
それが過ぎて、すでに朝廷で没収していた旧北条遺領や、新田義貞が受領した土地までを、麾下の将につい頒けてやってしまったほどである。
— 風花帖 『私本太平記』 青空文庫