衛門
えもんの
名詞
標準
文例 · 用例
江戸時代に入って、鹿野武左衛門の『鹿の巻筆』(巻三、第三話)に、堺町の芝居で馬の脚になった男が贔屓の歓呼に答えて「いゝん/\と云ながらぶたいうちをはねまわつた」とあるが、この「いゝん」は『落窪物語』の「いう」と通ずるもので、馬の嘶きを「イ」で写す伝統が元禄の頃までも絶えなかったことを示す適例である。
— 橋本進吉 『駒のいななき』 青空文庫
」と、老優|市村羽左衛門が憤慨したのも、西欧の文人フランスが嘆いたことも、所詮は人間のために、神が万物を造ったという聖書の記事を、人間のエゴイズムに前提した苦情にすぎない。
— 萩原朔太郎 『老年と人生』 青空文庫
その娘はすでに世を去り、またこの講演を一書となして初めて世に出した私の親友京都便利堂主人中村弥左衛門君もツイこのごろ世を去りました。
— 内村鑑三 『後世への最大遺物』 青空文庫
終りに臨んで私はこの小著述をその最初の出版者たる故中村弥左衛門君に献じます。
— 内村鑑三 『後世への最大遺物』 青空文庫
よく話に聴きまするかの紀ノ国屋文左衛門が百万両溜めて百万両使ってみようなどという賤しい考えを持たないで、百万両溜めて百万両神のために使って見ようというような実業家になりたい。
— 内村鑑三 『後世への最大遺物』 青空文庫
僕のとなりは、大月松右衛門殿だ。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
松右衛門殿も、この綽名をそんなにいやがってもいないようだ。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
松右衛門殿は眼をつぶって黙って聞いているが、僕は落ちつかない気持である。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫