街巷
がいこう
名詞
標準
文例 · 用例
白髪に強いられて、思い切りよく老の敷居を跨いでしまおうか、白髪を隠して、なお若い街巷に徘徊しようか、――そこまでは鏡を見た瞬間には考えなかった。
— 夏目漱石 『思い出す事など』 青空文庫
『街巷新聞』に出ていた記事は誹謗でも中傷でもない。
— 永井荷風 『つゆのあとさき』 青空文庫
『街巷新聞』に出た黒子の一件は、誰がいたずらをしたのか当がついたか。
— 永井荷風 『つゆのあとさき』 青空文庫
そこで、留守の中に窃と猫の児の死骸を押入の中に投込んで様子を見たが、これさえさほど恐怖の種にはならなかったらしいので、遂に清岡はわるくすると感付かれるかも知れぬと危ぶみながら、君江が内股の黒子の事を、村岡にいい付けて『街巷新聞』に投書させたのであった。
— 永井荷風 『つゆのあとさき』 青空文庫
飛鳥河の淵瀬只ならぬはひとり都市街巷の変遷許りではあるまい。
— 正岡容 『異版 浅草燈籠』 青空文庫
故郷をとびだして以来は街巷から街巷を流浪して歩き、口には云えないような世渡りもした。
— 山本周五郎 『柘榴』 青空文庫
去年からひき続いての評判が、もういちど、江戸の街巷をわきたたせ、春の終るころまで瓦版や、絵入りの小冊子類がいろいろと出た。
— 山本周五郎 『柳橋物語』 青空文庫
両国駅へ着いたのは夕方で、東京の街巷にはもう灯がついていた。
— 山本周五郎 『骸骨島の大冒険』 青空文庫